マイルストーン39号   特集 さくら

さくら考 日本人と桜 桜前線 ソメイヨシノ 泉自然公園の桜

吉高の桜 四街道市総合公園の山桜 桜の街路樹

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福星寺の枝垂れ桜
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桜通り
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鹿放ヶ丘グランド
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文化ホールの桜

  

さくら考

 草木が芽吹きはじめ、虫が土からはい出してくる春。人の心もうきうきとしてきますね。桜前線の北上が話題になってきました。

 桜ほど日本人に愛されている花はないでしょう。その昔は「花」と言えば梅だったといいます。これは中国の習慣がそのまま伝わったためと言われますが、それが平安のころから桜に変わったと言うことです。花の終わりの表現はそれぞれ違うそうです。ツバキは「落ちる」、梅は「こぼれる」そして桜は「散る」のだそうです。この「散る」潔さが愛される所以かもしれませんね。忠臣蔵の切っ掛けとなった浅野長矩の切腹シーンには桜吹雪がなくてはなりませんものね。また、大きなランドセルを背に桜のトンネルをくぐって入学したのも思い出ですね。ま、それはさておき、桜の下での花見の会、無礼講は春の風物詩としてすっかり定着してしまいましたね。

 県内にも数多くの桜の見所があります。思いつく所をいくつか挙げてみましょう。まず、千葉市では亥鼻公園、亥鼻城をバックにした夜桜はすてきです。ほかに昭和の森、泉自然公園、市川市では里見公園、船橋市の行田公園、中山競馬場前、ワンパク王国。野田市の清水公園。常盤平桜通り(松戸市)。あけぼの山公園(柏市)。成田山公園(成田市)。佐倉城址公園(佐倉市)。枝垂れ桜が圧巻の長光寺、妙宣寺(山武町)。小見川町の城山公園。茂原公園(茂原市)。東金市の雄蛇ヶ池、八鶴湖。館山市の城山公園。マザー牧場(富津市)。木更津市の太田山公園からはアクアラインを遠望しつつ花見ができます。そして、市原市の鶴舞公園や県こどもの国などなど。ほかにも数えきれない見所があります。

 県内で六つもの市や町で桜を町の木に決めていることからも桜が愛されていることがわかりますね。かく言う四街道市も市の木は桜です。市内の至る所で桜の花が咲き誇ります。中央公園から文化ホールに至る500メートルは「桜通り」の愛称がつけられ、道の両脇に桜の木。文化ホールの敷地にも見事な桜が。そして中央公園では思い思いに宴が。鹿放地区にも満開の桜が。そして吉岡十字路から1キロほど南に行った所の福星寺の境内には御成街道沿いの金光院にあった徳川家康お手かけの桜を株分けしたという言い伝えのある枝垂れ桜が見事に花をつけます。

 桜の咲き競うのも、もう間もなくです。参考になれば…。

 さまざまの事思ひ出す桜かな 芭蕉

matudo.jpg (16873 バイト) 桜のトンネル(松戸市)

  

「日本人と桜」

 「同期の桜」という軍歌をご存知だろう。カラオケが終るころ、酔がかなりまわって男達が立ち上り腕を組んで歌い出すのが、この歌である。それも戦争の体験などまるで無い若者達もである。「同期の桜」の同期が、貴様と俺というフレーズが、仲間意識を呼び起すのか。「咲いた花なら 散るのは覚悟 見事散りましょ 国の為」。かくして若者達が戦場へ旅立ち、帰らぬ人となった。

 桜は、わが国の代表的な花とされるだけに、文学・美術・その他の風俗に数限りなく現れている。万葉集でも桜の歌は多いが、その中のひとつ、「あしひきの 山の間照らす 桜花 この春雨に 散りゆかむかも」は往事の桜の姿として伝えられる。この歌ですぐ花明りという言葉が思い出される。緑の山脈に咲き競う吉野山の桜絵巻は、「山の間照す」の言葉にふさわしい。万葉集で歌われている桜のほとんどは山桜である。最も古い野生種で私達の住む里山に点在していて、花時にこの花を見つけると嬉しい。お花見で見るソメイヨシノ桜が出現するのは千年も後のことである。

 この花ほど、日本人の精神文化に影響を与えてきた花も少ない。児島高徳の「しきしまの大和心を人問わば 朝日に匂ふ 山ざくらばな」が代表されよう。古来武士道精神をサクラの花にたとえられてきた。時いたれば、いっせいに花開き、らんまんと咲いたのちは、いさぎよく散りはてる。桜の特徴は、明治にはいって軍人精神の基調とされ、わが国民性の成り立ちに、大きな影響を与えた。

  

桜前線

 3月になると、気象庁から「桜前線」が発表される。梅前線とか椿前線とか有っても良さそうだがそれがない。それらは種類がたくさんあって、また地域が日本全国には分布していない。その点桜前線は理由がある。

桜前線を発表する根拠となる桜の木は、各気象台・測候所毎に特定の桜――それもソメイヨシノに限られている。それがほかの桜と大きく違うのは、すべての木が同じ遺伝子を持つという点にある。それぞれが違って見えても、一本の木から広がっていった親の木から次々と挿木や継木で増やされて、日本国中に広がったという事情がある。この木が春の足音を告げる物差とされるのは、こういう理由からである。

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「ソメイヨシノ」

 江戸時代を終ろうとしている頃、江戸は植木ブームにわいていた。江戸の周辺部には、たくさんの植木を作る村があった。大消費地の江戸にむけて製産され、高く売れたと伝えられている。その生産地のひとつに、江戸の北西染井村(現池袋周辺)の植木屋が、華やかにその上たくさくの花を付ける桜を見つけた。この木の挿木を有名な京の吉野の桜にあやかってヨシノを、製産地の染井村を冠して「染井吉野」と名付けた。

 これが大変好評で、またたく間に日本全国に広がった。参勤交代が果たした役割も大きいという。今ではこの桜は彼岸桜と大島桜の雑種と考えられている。公園や堤防などに植えられている桜は、大部分がこの種である。

  

泉自然公園の桜

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 四月のはじめ、この公園は人々で満ちあふれる。殊に土曜・日曜は尚更である。ここでは染井吉野桜のお花見広場に集中する。喧噪をさけて周辺の小さな広場の芝生に席をとると良い。ここには多くの種類の桜が、時期をずらして咲く。3月中旬には緋寒桜がおちょぼ口の花を開く。下旬には彼岸桜が咲き、四月上旬には染井吉野が満開となる。この頃、お花見に訪れる人々が殊に多い。中旬から下旬にかけて、シダレ桜の長い髪をたらした様な姿が見られ、又、里桜のボタンの様な八重咲きが美しい。

 三月すえから四月はじめにかけて、この公園のカタクリが咲く。桜ではなく、この花を見にくる人も多い。カメラマンのメッカでもある。カタクリの近くには、ニリンソウ・イチリンソウが、ちいさな身体をしゃきっと伸ばして、りんと咲いていて嬉しい。少し離れてヤブレガサの芽生えが、つぼめた傘を立てた様で何とも可愛いい。

  

吉高の桜 yosidak.jpg (9008 バイト)

 少し足を伸ばせば、かくれた銘木がある。最近、この桜は人々に知れ渡り、多くの人々が訪れる様になった。印旛村の吉高の桜である。春の田園風景を印旛沼北部に進むと、畠の中に高くそびえて立つ。樹齢二百年といわれ、幹廻り6.6m、東西24m、南北23mの巨木である。四月中旬頃の花の季節には見物人、カメラマンが殺到する。ヤマザクラである。ソメイヨシノ程の華やかさはないが、何といってもその清らかでさっぱりした姿は美しい。この桜は、個人の持ち物で、長い年月何代にもわたって大切に守られてきた歴史の重みは尊い。

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四街道市総合公園の山桜 sogoprk.jpg (8948 バイト)

 近くにありながら、案外市民に知られていない。たくさんの染井吉野桜が植えられている公園である。花時には多くの人々が訪れる。然し少しわきにそれた所にあるこの桜の大木は、人々に知られることなく、訪れる人も少ない。かくれた銘木であり、何とも勿体ない。公園に標識を立てて、この素晴らしい桜を人々に見てもらえないかと思う。清楚にして豪華という形容はこの木にふさわしい。

 四街道の里山には多くの山桜が自生しているが、これ程の桜は他に例がないであろう。かつて、サクラといえばこのヤマザクラのことであり、万葉集で歌われているのもこの桜のことである。

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桜の街路樹

 千葉モノレールのみつわ台駅近くの桜の街路樹がすばらしい。道路の両側の広い歩道に植えられていて、桜のトンネルを作る。この桜を見るたびに思うのだが、これを守って育てて来た人々の心が伝わって来る。大きく伸びた枝は家々の軒に達している。落葉で雨樋がつまりはしないか。たくさん落ちてくる落葉や花びらの掃除はさぞ大変であろう。それでもなおこの桜並木を町をあげて大切に守り育てている。何とも嬉しい。足を延ばして一度見にゆかれることを、お勧めする。それは見事な桜並木である。

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