| タカシの入院その3 入院も長いと、点滴、静脈注射、動脈注射、筋肉注射、切開……、針が大嫌いで、採血時に貧血を起こしてしまうようなタカシに、大小さまざまな穴が何個もあけられた。
「動脈注射は失敗されやすく、筋肉注射はチョーモロ痛い」
ということを身をもって学んだ彼は、針を刺されようとするたびに、何注射か確認して痛い痛いと大騒ぎするし、「普通の注射だ」とだまされて筋肉注射を打たれてからは恐怖感も倍増したようで、(もう担架に乗せられているのに)手術直前の筋肉注射さえ騒いで拒む始末だった。(数秒間の筋肉注射1本打つのに15分かかった)
が、ようやく治って、退院時に担当の優しくて若い先生に挨拶に行った。
先生「よかったね、退院できて。おめでとう」
タカシ「はあ。ありがとうございます」
夫とわたし「どうもありがとうございました」
先生「長谷川君にはボクもいろいろと勉強させられました」
夫とわたし「???なにをお勉強なさったのですか」
先生「患者さんはこんなに痛いんだなあ、と、考えさせられました。注射を打つたびにドキドキするんですよ」
彼はいいお医者になるに違いないが、患者に注射するたびにストレスがたまって病気になってしまうかも知れないと思った(そのくらい優しい先生でした)。
(おかげさまで元気に退院してきました。みなさまに感謝します。) |